理屈よりも「愛せるロゴ」では?
今回のプロジェクトの収穫は、理想のアウトプットだけでなく、大きな学びが得られたことでした。まずは「依頼者としての難しさ」と「率直なフィードバックのありがたさ」です。
ふだんクオーターバックはロゴ制作をご依頼いただく立場ですが、自分たちが依頼者になることはほとんどありません。制作に慣れているがゆえの固定観念に気づいたのは、柴田さんとミーティングでロゴイメージをすり合わせているときでした。
「込めたい意味をしっかり伝えなければ」という意識が働く中、弊社代表の山田は、柴田さんからの指摘にハッとします。
「意味は後からいくらでも込められます。大事なのはそのロゴを愛せるかどうかだと思います」
山田は「クリエイティブに個人的な好みは反映すべきじゃないと思ってたから、ちょっと面食らってしまった 笑」と後に語ります。依頼者として、込めたい意味を伝えることに意識が向いていましたが、あらためて「自分たちが愛せるロゴ」について、さまざまな意見を交わしました。
「感情が動くようなロゴだといいよね」
「つながりを表現するなら、結び目みたいなわかりやすさがあるといいな」
「今のロゴは小文字だけど、大文字でも愛せるかもしれない」
そんな議論を経て、柴田さんに提案してもらった案のひとつが、決定案のベースとなったロゴマークです。
初回に提案してもらったロゴのシンボルマーク案(掲載の許可をいただきました)
リニューアル前のロゴマークと比較すると、印象が大きく変わったことがわかります。
新しいシンボルマークのモチーフは「解きかけ、結びかけのQ」。
Qには「問い(Question)」という意味も込められています。
クオーターバックは、かねてから頭文字をとって「QB(キュービー)」という呼び名で親しまれています。だからこそ、Qだけを取り出し、そこに「問い」という意味を重ねるアイデアは、思いも寄らないものでした。
プロジェクトメンバーは、社内のみんなに共有できる全体ミーティングの日をワクワクしながら待ちました。