プロジェクト概要
農林水産物を活用した「6次化商品」の福島県内統一ブランド立ち上げに際し、ブランドネーミングとブランドロゴディレクション、ブランドサイト構築を担当いたしました。
東日本大震災の影響による風評被害対策を目的にスタートしたこのプロジェクトに対しては、食品プロデュース・コンサルティングにおいて豊富な実績を持つ株式会社生産者直売のれん会とともにブランドコミュニケーションを設計。
福島県庁・県内事業者・エンドユーザーを含め、ブランドに関わるすべての人々にビジョンを共有するために、コンセプトワークやクリエイティブ開発を行いました。
課題
最大の課題は、震災から6年が経ってもなお、福島県内の食品に対する風評被害が残っていることでした。復興は着々と進んでいるにもかかわらず、県外からは「被災地」として見られる状況が続いています。
また当プロジェクトは、福島県庁・県内事業者・エンドユーザーなど、ひとつのスキームでさまざまな人々が関わるため、プロジェクトを盛り上げていくためには、参加者のコミットメントを高めるようなコミュニケーション設計がカギとなります。
ネーミング・ブランドロゴ開発においては、目先だけでなく数年先まで見すえた上で、プロジェクトのコアとして生き続けるようなコンセプトを作ることが必要でした。
アプローチ
「応援消費」を促している限りは、福島県はこの先も「被災地」として見られ続けます。「苦難を乗り越えて、前を向いて進む福島」をPRするためには、応援消費を脱して、すでに新しいフェーズに歩みを進めているという事実を表明する必要があると考えました。
福島県には「福島といえば○○」というような、誰もが知る名物があまりありません。しかし、実は福島県は、農作物を中心に全国有数の生産量を誇っており、まさに食の宝庫と言える地域。海岸から山地まで、地形・気候が多様なため、おいしいものが育つ条件が整っています。
こうした背景を踏まえて生まれたのが、「福島県のスター商品を育てるためのブランド」というコンセプトです。ただおいしいものを集めるだけでなく、さまざまな声を商品改善につなげていくスキームによって、「福島の○○おいしいよね!」「福島の○○って有名だよね!」と言われるような商品を、ひとつふたつと育てあげていく。それがやがて地元の誇りとなり、また県内事業者の「後に続こう」というエネルギーにつながっていく。そんな、福島県の「希望の星」を育てるためのプロジェクトと位置づけました。
ネーミング開発・ロゴディレクションにおいては、統一ブランドとしての強みを生かすために、ふくしま満天堂というブランド名を冠した商品が陳列されたときに、ひとつのコーナーとして成り立つようなクリエイティブを目指しました。星のモチーフは、商品に対する評価が直感的に伝わる、かつシンボルとして覚えやすい、というコミュニケーション効率を上げる作用にもつながりました。
担当領域
■現状把握・リサーチ / ポジショニング設定 / ブランドコンセプト開発 ■ネーミング / タグライン / ブランドステートメント / ロゴマーク / VIマニュアル ■ブランドサイト