プロジェクト概要
年に一度開催される、「台東区産業フェア」。ものづくりのまち・台東区を拠点に活動する事業者の商品、サービスの魅力を実際に見て、触れて、つながることができる見本市です。
「台東区産業フェア2023」では、コミュニティづくりの考え方を取り入れながら、運営側と出展者の垣根をなるべくなくし、「みんなでつくる産業フェア」をめざしました。
課題
このイベントは本来、台東区内の事業者の販路開拓支援と産業活性化のために企画されたものでした。しかし、台東区の産業は括ることが難しい多業種かつ中小規模の事業者が多いという特徴があり、どうしても小規模で多ジャンルの出展者が集まるテーマレスな展示会になってしまう、という構造上の課題がありました。また、台東区の産業を多くの人に知ってもらいたいとの理由から、ビジネス目的以外にも一般の見学購入の来場者も受け入れています。
出展料は安いものの、業種も出展目的も異なる出展者が多いため、事業者同士の連携やモチベーション維持が困難に。結果として魅力的な商品が並ぶのに、来場者も出展者もどうやってこの見本市を楽しめばいいのか、不明瞭な状態になっていました。
アプローチ
特徴でもある展示会の構造(小規模、多ジャンル、テーマレス)を変えることなく、来場者と出展者どちらにとっても魅力的なフェアにするために、「複数年かけてイベント自体を育んでいく仕組み」を公募型プロポーザルにて提案しました。無事に企画・運営事業者として選出され、初年度となる2023年。出展者の交流と学び合いを目的にしたイベント「台東区産業ゼミ」を複数回行い、運営側と出展者、出展者同士のつながりを強化していくことを打ち出しました。
様々な業種の出展者が集まるからこそ、業界を超えたコラボレーションが生まれ、新しい価値が生まれると考えたからです。一つのイベント運営に終始するのではなく、中長期的な目線で台東区内産業の活性化を目指すこととしました。
私たちは、これまで行ってきた組織づくりのノウハウを生かしながら、運営事務局と出展者をコミュニティ化。運営事務局から出展者に向けて決まったことを伝える一方的な運営ではなく、共に協力して作り上げる運営にしたことで、出展者間に共通の目標が生まれました。「台東区産業ゼミ」をきっかけにした出展者同士のコラボ商品も複数誕生し、展示会当日には出展者同士が展示方法を相談し協力してディスプレイを仕上げるなどの現象が起こりました。他にも、特別ゲストによる講演だけでなく、出展者によるトークイベントを開催するなど、当日企画のなかにも「みんなでつくる産業フェア」のエッセンスを盛り込みました。
結果、喫緊の課題となっていた出展者満足度は92%(前年度=75%、前々年度=63%)を獲得。 出展者や実行委員会からも取り組みを評価する声を上げていただき、2024年度の企画・運営事業者として改めて選定いただきました。
「台東区産業フェア2024」委託事業者選出のお知らせはこちら
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【WORKS INTERVIEW #5】QBは、また一緒に仕事をしたくなる“台東区のおもしろ集団”(前編)-頼まれ仕事ではなく、一緒に考えましょうというスタンスが嬉しかった-
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