テーブルカンパニーさんの紹介:
東京を拠点に活動するクリエイティブカンパニー。自社で美容と健康に関わる商品開発、デザイン、パッケージング、及び販売に加え、Webの開発や運営事業を行う。オリジナルブランドである「発酵温浴nifu」はフランチャイズも含めて全国に10店舗を構え、ファンから根強い支持を得ている。
中上さんの紹介:
新規事業の推進や社員教育、仕事や悩み事の相談窓口など裏方仕事を中心に行う。
テーブルカンパニーを支える、コミュニケーションの要。
テーブルカンパニーさんの紹介:
東京を拠点に活動するクリエイティブカンパニー。自社で美容と健康に関わる商品開発、デザイン、パッケージング、及び販売に加え、Webの開発や運営事業を行う。オリジナルブランドである「発酵温浴nifu」はフランチャイズも含めて全国に10店舗を構え、ファンから根強い支持を得ている。
中上さんの紹介:
新規事業の推進や社員教育、仕事や悩み事の相談窓口など裏方仕事を中心に行う。
テーブルカンパニーを支える、コミュニケーションの要。
ーブランドコンセプト策定のきっかけは?
会社が変容していく時期だった、というのが大きいですね。
うちはもともと、ヘアメイク事業を中心に行う会社でした。その後、新規で立ち上げた発酵温浴を中心としたウェルビーイング事業に舵を切ってから数年が経ち、組織の変化が顕在化していました。
時期としては、ちょうどコロナ禍の前です。
ー大きな変化ですね。
そうですね、新規事業拡大にともなって、人員の配置転換や新メンバーの加入もありました。
ー社員のみなさんはどんな様子でしたか?
社員同士の仲は前からよかったので、コミュニケーション面での問題はなかったと思います。
でも、事業ごとに担当が分かれていたこともあり、お互いの人となりはわかるけど業務内容まではわからない状態。なので、仕事のことを相談したり連携したりすることは少なかったですね。
ー当時、会社の方針のようなものはあったんですか?
「みんながやりたいことをやればいい」という方針はありました。
でも、“なんでもやっていいよ”という自由な環境がかえって、社員を困惑させていたのかもなと今は思います。お互いの業務内容もわからないし、仕事における共通言語がなかったので、自らチャレンジして周りを巻き込んでいく人が、出てきづらい状況でした。
ー共通言語とはなんでしょう?
やるやらないを決める判断基準ですかね。会社の“らしさ”に関わる部分というか。
判断基準を定めずに、なんでも好きにやっていいですよ、という環境は僕たちの目指すものじゃない。社員にとって、会社がただ所属するだけの“箱”になってしまうのは違うので。
みんなで会社を運営していくためには、目指す方向性を定めて、やることを絞っていくことが重要だと感じていました。
それに、うちの場合は、代表の片山さん自身もものづくりが好きなので、自分で事業を起こした後、運営をメンバーに託すこともあります。そんなとき、社員が片山さんの意図や想いを理解できていないと事業の運営や展開ができない。会社として成長するためにも、会社の軸を定めることが必要でした。
そこで、クオーターバックに相談したんです。
ー中上さんはブランドコンセプトの策定にはどのように関わったんですか?
僕は最初のディスカッションのみの参加でした。
基本的にはインタビュー形式で、片山さんとクオーターバックのコピーライターさんとの1on1で実施しました。
ー片山さんはどんな様子でしたか?
会社に対する想いを深掘りして言葉にすること自体、初めての経験だったと言ってましたね。
社員になんとなく伝わっているだろう、と空気感で片付けていた想いをどうやって言葉にするか。自分の心の中を探りながら言語化することは、難しかったみたいです。
ー片山さんにとって新鮮な体験だったんですね。
ですね。でも、そうしたやりとりを通して、最終的にたどり着いた『生きていることを感じられるじかん』というブランドコンセプトには、納得している様子でした。
ー策定されたブランドコンセプトに対して社員のみなさんの反応は?
「正直よくわからない」という反応でしたね。
片山さんの言っていることはわかるけど、自分の仕事や想いとは結び付きにくかったのだと思います。
すぐに自分ごと化はできなさそうな様子でした。
ーいきなり自分ごと化するのは難しいですよね。
はい。一方、片山さんが心の奥底から紡いだ『生きていることを感じられるじかん』という言葉ができたことで、社員同士が、会社の目指すものについて、話したり考えたりすることのきっかけにはなりました。
ーブランドコンセプトの策定に続いて行ったのが、インナーブランディングワークショップでしたね。
はい。僕は、策定されたブランドコンセプトを片山さんだけのものではなく、会社のものにしたいと思っていました。
一人ひとりが「会社の目指す方向」と「自分の役割」を理解すれば、組織の自走にもつながりますし。そのためには、社員同士が会社や自分のことについて、発言し対話する時間が必要だと考えました。
ーワークショップの実施はどのように?
7ヶ月間ほどかけて、月1回のペースで基本オフラインで実施しました。
フルリモートで年4回ほどしかオフィス出社しないメンバーも含めて、社員みんなが参加しましたね。
ブランドコンセプトなどに関する議論自体はうちの社員たちが主導で、クオーターバックの方々にはファシリテーターとして参加してもらいました。
ー社外の人が議論に入るのはどうでしたか?
よかったですね。意見を発散させて、収束させていくプロセスの設計や、議論が迷走したときに、みんなの視点や論点を絞るクオーターバックの方々はさすがだなと思いましたよ。
ーありがとうございます!ワークショップには代表の片山さんも?
はい、基本的には全部の回に参加してました。
でも一度、会社のミッションとバリューをつくる時に、あえて、議論から外れた回もありましたね。
ー何があったんでしょう...
片山さんの意見に社員が引っ張られてしまっていたからです。それに気づいた片山さんが自ら提案して。
議論を外から眺めることで片山さんにも発見があったようで、「選ぶ言葉は違うけど、みんなが大切にしたい価値観は近い気がした。社員の様子を俯瞰して見ることができたので外れてよかった」と言っていました。
ー議論の進め方にも試行錯誤があったんですね。
はい。他にも、参加者を2グループに分けて、ミッションとバリューの案を提案し合ったこともありました。「この考え方には共感するけど、ここは違う気がするなあ」なんて意見を交わしながら。
社員同士で対話しながらつくったことで、みんなが納得いくものができたと思います。
今回つくったミッションやバリューは、たくさん出た意見の平均をとったものではなく、想いを集結させたもの。クオーターバックの担当者には、うまくファシリテートしてもらいました。
ーワークショップ全体の感想を聞かせてください。
仲が良いという関係を超えて、これまで社内ではできなかったような、心の奥底をえぐるような対話や、出し合った想いを収斂させていく経験ができたのはよかったですね。
ー社員のみなさんの反応はいかがでしたか?
「ワークショップをやってよかった」という声以外にも、「複数の事業があるなかで、みんながオフィスに集まる機会や、一緒に何か考える機会もあまりなかった。社員同士の距離が縮まったような感じがする」なんて声もありました。ワークショップを重ねるごとに、社員同士が自然に日々の業務で連携するようになったのは成果のひとつです。
ーブランドコンセプト策定とインナーブランディングワークショップの総括をお願いします。
今回の取り組みを通して社員の目線を揃えることができました。今の業務だけでなく、将来、事業を大きく展開していくときにも効果を発揮すると思います。
判断基準があるから、社員が決断できるようになり、事業成長のスピードが上がる。
これからは、今回つくったブランドコンセプトやミッション、バリューを文化として根付かせていきたいですね。つくったものをどう使っていくかが大事なので。
ーテーブルカンパニーが目指す、理想の姿を教えてください。
組織としては、前向きに自ら動く人間の集まりでいたいですね。
個人がやりたいことをやるだけでなく、周りともバランスをとりながら組織として進むことができる、『スイミーのような組織』が理想です。それがテーブルカンパニーらしいと思います。
ー最後になりますが、中上さんにとってクオーターバックはどんな存在でしょうか?
まだ困ってはいないんだけど、将来的に課題になってきそうな部分も気兼ねなく相談できるパートナーかな。解決策を求めるというよりも、フワッと意見を聞きたいこともあるじゃないですか。そんなときに最初からビジネスという感じではなく、一回話を聞きますよというスタンスで接してくれるからありがたいです。
ーありがとうございました!
中上さんにお話を伺うなかで、社内の共通言語の重要性を再認識するだけでなく、共通言語をみんなでつくる過程にも大きな価値があると改めて感じました。
クオーターバックは、ブランドとステークホルダーのつながりをデザインする、リレーションデザインカンパニーです。
社内のメンバー同士が、信頼関係でつながり、ともに創造性を発揮しながら、成果を生み出す組織をつくるために。私たちは、ブランディングとコミュニケーションデザインを通じて、御社の成長と発展に貢献いたします。
少しでも話してみたいなと思った方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。
QBが携わったテーブルカンパニーさんのプロジェクトについて、WORKSでもご紹介しています!ぜひあわせてご覧ください。