ざっくり言うと「なぜ今、人は孤独を感じているのか」、「どうすれば孤独を感じないためのコミュニティを育てられるのか」という内容の本でした。が、読み進めるうちに思ったのは、
「あれ、これ会社組織もおんなじなのでは…」
ということ。
日頃ぼくは、いろんな企業のブランディングに携わらせていただいてます。ただ、担う領域としてはまだまだアウターブランディングのほうが比重が高く、これからインナーブランディングについても学んでいかねば、と考えていたタイミングで出会ったのがこの本だったので、最後まで会社組織の活性化という視点で読み進めてしまいました。
1:コミュニティが自走するためのドミノの1枚目とは。
コミュニティを作る上で、再優先事項は何か? それをやり続けさえすれば、コミュニティが自走するドミノの1枚目はどこにあるのか?
―引用元:『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ 』
前著の『ぼくらの仮設が世界をつくる』の中では、「1枚目のドミノはたった一人の熱狂」と書いていた佐渡島さんも、自身でコルクラボというコミュニティを運営する中で、初めは熱狂していたメンバーが脱落していく様子を見て、考えが変わってきたという。
熱狂とは、太陽みたいなもの。 遠くまでその熱を伝えることができる熱狂は、身近な人を焼き殺してしまう。
―引用元:『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE. ~現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ~ 』
企業で言えば、ビジョンがないのは論外としても、逆にビジョンドリブンすぎると、どれだけ社員がコミットしていてもその熱狂に疲弊してしまうことがある。これ、けっこうイメージわきますよね…、ビジョナリーなリーダーであればあるほど、その温度差は埋めきれない谷になる。
よい距離感を保って、そのビジョンに並走できていればいいかもしれないけども、熱狂が求心力となっている限りは、そこに共感し、吸い寄せられる人ほど、巻き込まれやすくなってしまう、というジレンマが確かにあるなと。