産業フェア2023とは ものづくりのまち・台東区を拠点に活動する事業者の商品、サービスの魅力を実際に見て、触れて、つながることができる見本市です。
※前回の記事は、こちらからお読みいただけます。
産業フェア2023とは ものづくりのまち・台東区を拠点に活動する事業者の商品、サービスの魅力を実際に見て、触れて、つながることができる見本市です。
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ー産業フェア当日の様子は、みなさんの目にどう映りましたか?
紫冨田)朝から熱量がすごかったですね!区役所の他の職員も言っていました。
柳澤)熱量の要因は活気だと思いますね。これまでの産業フェアでは、来場者が少ない時間などにやることがない出展者が、手持ち無沙汰になってしまう姿が見られました。ですが今年は、そうした時に、出展者同士で交流しているシーンが多く見られました。
産業フェア当日の様子
ーたしかに出展者同士での情報交換は、各所で起こっていました。
佐藤)出展者がお互いの商品について説明し合ったり、購入し合ったりしていたことで、会場全体にあたたかい雰囲気を感じました。
柳澤)昨年より来場者数は少し減ってしまいましたが、これまでに見られなかった光景が様々な場所で起きたので、活気が生まれた。産業ゼミなどを通して、産業フェア当日までに積み重ねたつながりの成果だと思います。
産業フェア当日には、出展者などによるトークセッションを実施。会場全体の盛り上がりにもつながった
ー他にも周囲などから反響はありましたか?
柳澤)産業フェアを視察した職員からは、ニヤニヤしながら「2024年度以降の産業フェアのハードルが上がったね」って言われました(笑)。2023年度の産業フェアの様子を見て「すごくいいことができている」と感じてもらえている証拠だと受け取っています。
紫冨田)「今年の産業フェアはいい感じだぞ!」という手応えがありましたね。出展者満足度の目標値である80%にはこれまで達したことはなかったのですが、今年は出展者アンケートを配る前から「確実に80%以上いくな」と感じていましたから。集計後、出展者満足度90%を超えたことには驚きましたが。
ー振り返ってみて、2023年度の産業フェアはどうでしたか?
佐藤)当初は「産業フェア当日、いかに多くの出展者とバイヤーがつながることができるか」が、出展者満足度に影響するものと予想していました。しかし今回の産業フェアを経て、それ以外の要因もあると気づきました。
ーそれ以外の要因とは?
佐藤)産業ゼミなどを通して出展者同士で交流できたり、その中でコラボ商品などの取引につながったり。産業フェア当日までのプロセスのあり方も、今回の出展者満足度の高さにつながっていると思います。
型染め工房「本品堂」さんとくるみボタン工房「MiSuZuYa」さんのコラボによる「江戸文様刺繍ブローチ(EDOMON)」は東京TASK奨励賞に選出。他にも多くのコラボ商品が、産業フェアを通して生まれた
柳澤)出展者に聞いても「今回の産業フェア、楽しいですよ!」といろんな人が言ってくれた。それだけで、今年の産業フェアをやってよかったと思えました。「本当に楽しい!」「出てよかった!」という声がたくさん聞けたのは、今回の成果です。
ー「楽しい!」はもちろん、「もっとこうしたらよくなりそう!」という部分で出展者から意見が出たことも、成果のひとつだと感じています。
佐藤)主体的に参加してくださる出展者がいるのは嬉しいですよね。今回、「産業フェア当日に使うネックストラップをうちで用意できますよ!」と提案してくれた出展者もいたじゃないですか。自主提案することには抵抗もあったと思うのですが、交流やつながりの土壌があるからこそできたのでは、と感じます。
「みんなで一緒にやっていこう!」という気持ちを共有しながら進めることができたのも、産業フェア全体の楽しさにつながったのではないでしょうか。
2023年度の成果について語る佐藤さん
紫冨田)私は、産業フェアへ第2回開催(2017年度)から携わっていますが、運営が難しい事業だと感じることもありました。例えば、出展者満足度80%の目標も簡単に達成できるものではないですし、集客も一筋縄にはいきません。実績の浅い事業でもあるので、出展者数すらもままならず、区内の事業者に頼み込んで出てもらったこともあったほどです。
ー当時の難しさが伝わってきますね。
紫冨田)あの頃は、「失敗しないように迷惑をかけないように」と、守りの姿勢だったと思います。けれど、回を重ねるごとに、出展者数も増え、出展者満足度も上がってきた。
そして、QBと組んだ2023年度、出展者満足度の目標値を大きく超える結果を残すことができましたし、産業フェア自体に、主体的に関わってくれる出展者も多く生まれました。
ーこれまで積み上げられてきたものと、2023年度の新しい取り組みが上手く融合したように感じます。
紫冨田)そうですね。2023年度の大きな成果の一つに、「運営側と出展者」という境界が薄まったことがあると思います。出展者が産業フェアに対して、「もっとこうしよう」と提案してくれる、トークセッションに登壇してくれる、中には物品提供まで提案してくれる人も出てきた。これまでは、展示会を実施するためのリソースを運営側が外から持ってきていましたが、台東区内のリソースを活かして、おもしろいことができると気づくことができました。
「みんなでつくる産業フェア」のかたちが見えてきたと思いますし、まだまだできることがたくさんあります。期待値は上がっていると思うから頑張らなきゃですね(笑)。
柳澤)課題や疑問、認識の齟齬が生まれた際に、フラットに話し合って一緒に進めることができる関係性を、QBとは築けています。これからも、きちんとお互いが思っていることを伝え合っていけば、産業フェアはさらに良い事業になるはずです。
ー嬉しいお言葉をありがとうございます。「良いものをつくろう!」とみんなで取り組む中で“健全な対立”が起こるのはいいことだと捉えながら、ともに試行錯誤をしていきたいです。
佐藤)台東区は小さなまちですが、まだまだ区内には、産業フェアのことを知らない事業者も多いです。今回の成果が口コミで広がったら嬉しいですし、地道に足を運んでもっと多くの人に知ってもらう必要があります。
志のある出展者が産業フェアに参加すれば、今年できたようなコラボレーションがさらに生まれると思うし、産業フェア自体も盛り上がるはずです。
佐藤)出展者からは、「よりビジネスに直結するような出会いやつながりをつくりたい」との要望も聞いています。
ハードルは上がりますが、出展者同士がお互いを知って終わりではなく、そこから商品・サービスなど、なにか新しいものが生まれるさらなる仕掛けが必要です。それを、QBや出展者と一緒にディスカッションしながら考えることができたら最高ですね。
インタビューも終始和やかな雰囲気で行われた
ー最後になりますが、みなさんにとってQBはどんな存在ですか?
柳澤)委託事業者との関わりは、ドライなものになることも珍しくありません。自分が異動すると、そこでつながりが切れてしまうこともあります。でもQBは、「もし、自分が違うところに行っても一緒に仕事をしたい!」と思える存在です。
ー僕らとしては、企画の成功と同じくらい、一緒に働くみなさんが気持ちよく仕事ができているかは重要でした。健康的に、そして、純粋にワクワクできているかなど、意識していたので、よかったです。
紫冨田)私は、いい意味で、”台東区のおもしろ集団"だったなと感じます(笑)。
働き方や企画への取り組み方、アイディアなどいい刺激をもらいました。みなさん楽しそうに仕事をしていますし、個性豊かな面々が揃っている。
奥浅草地域のイベントである「エーラウンド」も担当していると思いますが、そこで制作された冊子を見た時、クオリティの高さに驚きました。個性と得意分野がそれぞれありながら、基本的にみんなポジティブ。一緒に仕事をしていて気持ちよかったです。
ーそれは嬉しいです!僕たちも、みなさんが、「産業フェアをよくしたい、区内の産業を盛り上げたい!」と思っているのが伝わってきました。その熱意はかっこよかったですし、一緒に仕事をするのが楽しかったです。
佐藤)QBの皆さんからも「台東区をよくしたい!」と本気で思っていることが伝わってきます。これからもいろんな事業で、一緒に仕事ができたらいいですね。
ーありがとうございました!
いくつものチャレンジが実を結んだ台東区産業フェア2023。その成果が評価され、2024年度も台東区さんとクオーターバックがタッグを組んで企画運営をします。 今回お話を伺う中で、台東区産業フェア2024をより良いものにしていこうと思いを新たにしました。
クオーターバックは、ブランドとステークホルダーのつながりをデザインする、リレーションデザインカンパニーです。私たちは、ブランディングとコミュニケーションデザインを通じて、御社/組織の成長と発展に貢献いたします。少しでも話してみたいなと思った方は、ぜひ、お気軽にご相談ください。
QBが携わった台東区さんのプロジェクトについて、WORKSでもご紹介しています!ぜひあわせてご覧ください。